電子回路とプログラミングの理解にも。子供の学習に役立てるマインクラフトの始め方。

子供達の間で、マインクラフトというゲームがブームになっているのをご存知でしょうか。
ゲームと聞くと、親は良い顔をしないことが多いものですが、マインクラフトに限っては、「思考力を鍛えられる」「創造性を高められる」と、むしろすすんでやらせているという話も聞きます。
一体マインクラフトとは、どんなゲームで、どこが教育に良い点なのでしょうか?そしてその教育効果をきちんと享受するためには、どうすればよいのでしょうか。

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マインクラフトってどんなゲーム?

マインクラフトは、ひとことでいえば、「ものすごく自由なレゴブロック」です。
マインクラフトの世界では、ありとあらゆる素材が、同じ大きさのキューブ型で作られています。
この素材は膨大な種類が用意されていて、木材や鉱石、植物や生物、食物など、様々な素材を組み合わせて新しいものを作っていくことができるのです。

色々なものを作れるということは、多くのレシピがあるということでもあります。プレイヤーは、作りたいものに対応したレシピを把握してアイテムを組み立てなければならず、手順を順序立てて理解する力が身につきます。

また、ビルや城など、大きなものを建築するという楽しみ方もあります。完成形を思い浮かべながら建築する作業を通して、立体空間の認識力が鍛えられます。こんな風に、精緻な建築物を作って楽しんでいるプレイヤーも多くいます。

(出典:https://minecraft.net/ja-jp/article/flight-fancy

さらに、これらの作品や建築物を、自動制御で動かすことのできるアイテムもあります。「レッドストーン」という、電気回路のようなアイテムを使うと、物を自動的に動かすためのプログラムを組むことができます。

誰かが来ると勝手に扉があく「自動ドア」や、農作物が実ると自動で収穫する装置、自動運転で往復する鉄道など、工夫次第でどんどん複雑な装置を作ることができます。
レッドストーン装置は、電子回路のような構造になっており、複雑な装置を作るためには、電気工学や情報工学の考え方を取り入れる必要が出てきます。下の図では、部品を組み合わせてデジタル計算機を作っていますが、内部の仕組みは、実は電子回路そのものになっています。

(出典:ru-minecraft.org

このような教育効果に注目が集まり、マインクラフトは、世界各国の小中学校でプログラミングの授業に取り入れられています。
日本でも昨年から、広尾中学校で、Minecraft Education Editionという教育用プログラムを使った学習が行われています。
また、東京大学の実施する、異才発掘プロジェクト・ROCKETでも、マインクラフトで文化財を再現するプロジェクトが立ち上げられるなど、巨大な作品を共同で作ることの教育効果に注目が集まっています。

家庭で導入するには何を買えばいいの?

さてこのマインクラフトというゲーム、家庭でやってみたいと思ったら、どうやって始めれば良いのでしょう?
マインクラフトは、現在は様々な機器で使えるソフトが発売されています。ご家庭でお持ちの機器に対応したソフトもきっと見つかるでしょう。ただし、それぞれのソフトには、値段や機能に多少違いがあります。

まず、もっとも多くのご家庭にあると思われる、家庭用ゲーム機版マインクラフトがこちらです。


MINECRAFT: Wii U EDITION


【PS4】Minecraft: PlayStation 4 Edition

WiiU,PS3/4,PS Vita,Xbox版などが販売されています。上述のアイテム作成や、レッドストーン回路作成などが可能なほか、同じ機器どうしであればマルチプレイも楽しめます。使い慣れたコントローラーとテレビ画面で操作できるので、快適にプレイできるでしょう。

同じくらい普及していると思われるのが、タブレット版です。iPad版とAndroid版があり、家庭用ゲーム機版と機能はあまり変わらず、値段が安いのが特長です。こちらは同じ機器どうしや、PC版のプレイヤーとマルチプレイで遊ぶこともできます。

Minecraft
Price: ¥840+
Minecraft
Developer: Mojang
Price: Free+

最後に、最も多機能なのが、デスクトップパソコン版です。
Windows版とMac版があり、こちらからダウンロードできます。

https://minecraft.net/ja-jp/

Windows版とMac版、さらにAndoroid版を加えた三つのバージョンは、後述するModと呼ばれるプログラムを使うことができます。最終的に本格的にコードを書くプログラミングに繋げたいと思う時は、これらを使うのが良いでしょう。
ただし毎日気軽に遊ぶという意味では、デスクトップパソコンはやや使い勝手が悪いです。どのバージョンも4000円以下で買えますから、まずは遊び慣れた機器で始めてみて、物足りなくなったらパソコン版に移るのがお勧めです。

プログラミングの学習のために

マインクラフトは、決まったシナリオなどのない、自由なゲームなので、様々な遊び方ができます。
子供達は、前述のような巨大建築や装置を作るほか、世界中をあちこち探検したり、強い武器を作ったり、ひたすら地形を爆破させたり、それぞれに色々な楽しみ方を見つけて遊んでいるようです。

自由な遊び方ができる反面、遊ぶだけで終わってしまうこともあるマインクラフト。
これをプログラミングの学習にもつなげるには、少しだけ工夫が必要です。
プログラミングの学習となるのが、前述のレッドストーン回路と、modと呼ばれる追加プログラムです。

まずは、レッドストーン回路です。
マインクラフトには、動かしたい物と、そのスイッチ(これは動力源にもなっています)、そしてその二つをつなぐ「配線」の、3種類のパーツが用意されています。
例えば、ドアと、その開閉スイッチを用意し、これらを配線でつなぐと、スイッチを操作して遠くのドアを開け閉めできるという具合です。

スイッチは色々な種類がありますから、工夫次第で、楽しい装置を作ることができます。こちらは、公式サイトで紹介されている、落とし穴(!)の回路です。

(出典:https://minecraft.net/ja-jp/article/how-build-hidden-pitfall

さてこのレッドストーン回路ですが、配線のつなぎ方を工夫することで、「○○かつ△△のとき、□□の作業をさせる」などの条件式を作ることができます。マインクラフトでは、電子部品に対応したパーツが数多く揃っていますので、前述のデジタル計算機のような、本物のコンピュータと原理的に同じ作品まで作ることができます。このような回路を作っていくうちに、情報工学で使う、論理回路(AND回路/OR回路、フリップフロップ回路)などの考え方を理解することができるでしょう。

動力源と、目標物、配線、というたった3種類の原始的なパーツを組み合わせていくことで、複雑な制御を行える、というのは、コンピュータの原理そのものでもあります。将来コンピュータプログラミングの世界に興味がある場合はもちろん、そうでなくても論理的な思考力を鍛えるのに有効です。

こちらの書籍は、レッドストーン回路を初歩から解説していますので、子供でも一人で理解することができるでしょう。


赤石先生のMinecraftレッドストーン回路がおもしろいくらいわかる本

もう一つ、マインクラフトを便利にするのが、Mod(Modification)と呼ばれるプログラムです。Modでは、プレイヤーの動きを、プログラミング言語を使ったコードを書いて自動化することができます。こちらはより実践的なコンピュータプログラミングを学ぶことができると言えます。

Modを使うためには、PC版のマインクラフトに、いくつかのプログラムを追加インストールしてあげる必要があります。
こちらもWikiなどにまとめられていますので、親御さんに知識があれば、無料でできますが、こちらの解説書にもわかりやすく説明されています。


Minecraftで遊んで学べる プログラミングの教科書 Lua言語&ComputerCraft対応版

簡単に手順を説明すると、まず初めに、既に作られているModである、

Minecraft Forge

というプログラムをインストールし、そこに

ComputerCraft

というプログラムを追加インストールして、コードを書いていくという手順になります。

ComputerCraftでは、Luaという言語を使ってコードを作成します。
初心者でも直感的に理解しやすいプログラミング言語ですので、他の言語でコードを書く練習になるでしょう。(java言語に慣れた大人がいれば、ComputerCraftを使わず、Eclipseなどのエディタを使って直接編集することもできます)

レッドストーン回路やmodを使って何を作るのかは、できれば大人も一緒に遊んで、「こういうことができたら面白いよね」と工夫しあうのがベストです。WikiやForum、Youtubeなどでもたくさんの回路や作品が紹介されていますので、参考にするのもおすすめです。既存のプレイヤーの作品の、奥の深い世界にきっと感心することでしょう。

マインクラフトは安心して子供に与えられるゲーム

「ゲームにはまる」と聞くと、不安を感じる親御さんが多いのではないでしょうか。しかしMinecraftの魅力は、他のゲームのような暴力性や、派手なアニメキャラの出てくるビジュアル、レアアイテムがもらえるかもしれないというギャンブル性などとは全く違います。マインクラフトは、それらとは正反対で、派手なアクションも射幸性もない、非常に静かなゲームです。

マインクラフトは奥が深いゲームです。そしてその奥の深さは、自分のやりたいことを実現するために、論理的に考えられる余地にあるといえます。まさに「遊びながら学ぶ」という表現がぴったりだと感じられるマインクラフト、お子さんが興味を持っているなら、導入してみてはいかがでしょうか。

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